「テラスハウス」りこぴんが裏切られた理由を小4男子が考える
「大人になっても、こんなことってあるんだ...」
裏切りやイジメは子供がするものだと考えていた小学校4年生のタケルにとって、このニュースはショックが大きかった。
これまでイジメられた経験はないし、自分が裏切られるのは想像もつかないタケルだが、「大人になってもイジメられる可能性がある」と知ってしまった今、頭の中には「いつか自分の身にも降りかかるかもしれない」と恐ろしいイメージが膨らみ震えた。
「なんで、りこぴんは友達に裏切られたのだろう?」
小4男子の疑問はそこだ。
いい歳した大人が裏切り、裏切られた元凶をつきとめようと、タケルはヤフーニュースの記事に隅々まで目を通した。
小4男子が考えた「りこぴん裏切り」の真相
タケルは「テラスハウス」についてよく知らなかった。
クラスの女子が「テラハやばい」と口にしているを聞いたことがあり、タケルは「どっかにヤバイお寺があるのだろう」と思い込んでいたのだ。
自分の勘違いに若干の恥ずかしさを覚えながらも、クラスの女子に話しかけられた時の話題が出来て嬉しくもあった。
そんな思春期の階段を登り始めたタケルが、記事の中で気になったのは、ここだ。
シェフ見習いの29歳・速人が、実はカメラに映らないところでキスをしたり、男子部屋の速人のベッドでこっそり一緒に寝ていたことを、他のメンバーたちが暴露
ここからタケルは次のように考えた。
どうやら「テラスハウス」はカメラの前でキスをする番組なのだが、りこぴんと速人さんは隠れてキスをしたらしい。
番組のルールを破った2人のことを、他の出演者が告げ口した。
なぜ2人が隠れてキスをしたのかタケルにはピンときた。
以前、家族でイオンモールへ行った時、フードコートでラーメンを食べながらキスしているジャージ姿のカップルを見て、ママが「なんて恥知らずな...」と顔をしかめていたのをタケルは覚えていたからだ。
すなわち、カメラの前で堂々とキスをする出演者の方がどうかしているのは明白で、あまりにも矛盾した「テラスハウス」の世界にタケルは憤った。
「なんて性格の悪い大人たちなんだ」
「でも、本当に(メンバーたちに)言われるんじゃないかって気持ちはあんまりなくって、信頼していたから『あ、言われちゃうんだ』って思った」と当時の心境を告白。
信じていた人に裏切られた、りこぴんの心中を察すると、小学4年生は胸を傷めた。
ただ、次の一文を読んでタケルは考えを改めた。
(メンバーの)美咲とかは特にこの人だったら、ずっとこの先も付き合っていきたいなって思った人だし、信じていた人に裏切られるってこういうことなのかなって思っちゃった。誰を信じたらいいか、わからなくなっちゃった。
「美咲さんは、りこぴんのことが好きだったんじゃ…」
タケルは以前、幼馴染で頭の良いケンジから同性愛について教えられたことがあった。
男が男を、女が女を好きになるという、にわかには信じられない話だったが、それを馬鹿にすることは、とても差別的なのだとケンジは得意気に語っていた。
美咲はりこぴんを好きになってしまい、他の男に取られたのが悔しくて、わざと貶めるようなことをしたのではないかとタケルは仮説を立てた。
日本一かわいい女子高生なんだから、誰もが好きになってしまうのは、仕方がないことなのだと。
「裏切り」「イジメ」「同性愛」大人の世界の出来事は、もはや小学校4年生のキャパシティを超えていた。
「何だか、お腹が痛くなってきたな…」
お昼にお餅を4つも食べたことが原因なのか、難しいことを考えすぎたのが原因なのかはわからないが、一先ず、タケルはトイレに行ってコロコロコミックを読もうと決めたのだった。